古い施設のような内装の共用部を、利用者を夜の世界に誘うミステリアスな内装にリノベーション
クラブ店舗が多数入居しているビルの共用部。時代を感じる従来の雑居ビル空間を、ミステリアスでありながらも清潔感のある和モダンな内装にリニューアルしました。
エレベーターホールの壁は利用者のファーストインプレッションに刻み込む皮調の印象的なクロスを採用するとともに、照度を少し低減させることで、より深みを持たせた空間に作り上げました。
また、折り上げ天井を造作し天井高さに動きを持たせると同時に、コファー照明で品のある天井廻りを演出しました。
廊下は意匠として直線を通した下がり天井を造作し、そのコーブ照明で照らす天井から優しく落とす光で利用者が気持ちよく各クラブ様へ入店できるように配慮しました。
床は両サイドをボーダー状にアクセントフロアタイルを張ることで長く続く奥行を、直線美を強調したデザインとしました。
エレベーターホール、廊下の巾木、天井廻り縁についてはサンメントを設置し、床、天井取合いの直線性を整えました。また、そのサンメントはマットなゴールド塗装を施すことで高級感を出しつつ落ち着いた雰囲気を演出しました。
エレベーターの三方枠、扉はダイノックシートで仕上げ、壁取り合いと扉で色調を変え建具を内装のアクセントとして機能させる工夫をしました。
下階へ続く階段は壁面をグレー掛かったオフホワイト塗装色を採用し、内装の質感に空間的つながりを持たせるように配慮しました。階段床のフロアタイルは廊下の床に色合いを合わせつつテクスチャには変化を持たせ、ノンスリップゴムは明確なブラックを採用することで、利用者が階段室として明確に認識しやすいように工夫しました。
エレベーターホールとテナントを仕切る防火区画に利用するSDは常時解放型防火戸とし、戸袋に納まっている間はエレベーターの昇降路救出口を親扉で隠す為、親子扉形状を採用しました。
今回施工したビルの共用部はいくつかの階毎にデザインパターンを変えています。お酒を嗜む店舗が多いビルですので、銀座で大人の夜を楽しんでいただける内装改修プランをご提案致しました。
ビル共用部は利用客の目につきやすい場所です。デザインの一新はもちろんのこと防火設備等を更新する点でも、共用部の改修をお考えいただいてはいかがでしょうか。
【工期】約1か月
【施工面積】約42㎡
【竣工年】1968年